技術革命と産業変革

2022-01-08

  濰柴動力は、世界初の本体熱効率51.09%を実現したディーゼルエンジン及び水素エネルギーの重大な技術実証成果を発表

    202218日午前9時に、濰柴動力は、世界初の本体熱効率51.09%を実現したディーゼルエンジン及び水素エネルギーの重大な技術実証成果を山東省済南市で発表しました。

  山東重工集団の党委員会書記・董事長濰柴動力董事長国家燃料電池技術イノベーションセンターの学術委員会主任である譚旭光氏は濰柴動力の世界初の本体熱効率51.09%を実現したディーゼルエンジンに関する研究成果、国家燃料電池技術イノベーションセンターと「水素エネルギー普及」パイロットプロジェクトの進捗状況を報告しました。国際的に権威のある試験認証機関であるドイツのTÜV(テュフズード)は、51.09%熱効率を実現した認証証明書を潍柴に交付しました。その後、山東重工・山東港の第一弾の水素燃料大型トラックのパイロット運用・引渡し式が行われました。

  国際自動車技術会連盟、マサチューセッツ工科大学、オーストリアAVL社、ドイツFEV社、米国サウスウエスト研究所、ドイツボッシュ・グループ、ドイツヴァイパ・テクノロジー、中国機械工程学会、中国汽車工程学会、中国内燃機関学会、中国内燃機関工業協会などからの祝電とお祝いのビデオメッセージが次々と届き、世界初の本体熱効率51.09%を実現したディーゼルエンジンの発表に祝意を表しました。

  

  限界へ挑戦

再び動力の新記録を刷新

  現在、グリーンと低炭素の発展が既に世界的なコンセンサスになっており、中国は「2030炭素排出ピークアウト」と「2060カーボンニュートラル」という戦略目標を打ち出しています。この目標を実現するには運輸部門は重要な分野であり、この中の内燃機関業界が重要な役割を果たしています。

  熱効率は、内燃機関の燃料利用効率を評価する指標であり、熱効率が高ければ高いほど、燃料消費量が少なくなり、省エネと排出削減の効果が著しくなります。国のディーゼルエンジンの総合的な技術力を反映しています。熱効率の向上は125年前からディーゼルエンジンが誕生して以来、全世界のディーゼルエンジン業界の共通の目標でもあります。 2020916日に、濰柴動力は、世界初の本体熱効率50.23%を実現した商用車向けのディーゼルエンジンを済南市で発表し、人類が初めて100メートル競走で10秒の壁を打ち破ったように、世界のディーゼルエンジン熱効率の新しいベンチマークを樹立しました。濰柴動力はその480日後に再び記録を更新しました。ディーゼルエンジン本体の熱効率が51.09%に達したのは世界初であり、我が国の世界内燃機関産業での確固たる地位を確立しました。

  濰柴動力のディーゼルエンジン本体の熱効率が51.09%に達したのは、従来動力の熱効率にとって再びの大きな革命であり、「国Ⅶ」排ガス規制の実施に技術的な準備を提供しました。この技術の実用化によって、濰柴動力製のディーゼルエンジン製品が世界をリードすることになり、我が国の伝統的な内燃機関産業の省エネや排出削減、グリーン発展を促進するには非常に重要な意義を持ち、世界の内燃機関業界においても重要な技術的なリーダーシップを果たしています。

  試算では、市販の既存の主流製品(平均熱効率46%のディーゼルエンジン)と比較して、平均熱効率51%のディーゼルエンジンは、燃料消費量と二酸化炭素の排出量をそれぞれ10%削減でき、中国国内で軽油を年間1,600万トン節約し、約1400億元の経済効果をもたらし、二酸化炭素の排出量を年間5000万トン削減できます。今後、この先端技術が業界内で大規模に普及されましたら、経済的、社会的にも多大な利益をもたらすでしょう。

  

  「水素」が未来をリードし

水素エネルギー産業の斉魯モデルをつくる

  濰柴は、従来の動力技術のブレークスルーと低炭素技術のアップグレードを推し進める一方、新エネルギー産業の発展を一つの重要な戦略として定めています。このたび、山東重工集団から山東港グループに納入した初回ロットの水素燃料大型トラクターには高出力の水素燃料電池システムを搭載し、強力なパワー、環境にやさしい、高い信頼性、高効率・フルタイム稼働などの特徴を持っています。

  2021年、濰柴動力は、中国で唯一の国家燃料電池技術イノベーションセンターの建設を主導していました。それと同時に、科学技術部と山東省は、「水素エネルギー普及」の実証プロジェクトフレームワーク協議を締結し、国家燃料電池技術イノベーションセンターを通じて、各種の使用場面における水素エネルギー技術の実証活動を山東省で行い、水素エネルギーに関するキーテクノロジーのブレークスルーと産業発展を加速させ、普及と複製できる斉魯水素エネルギーモデルの構築を目指しています。

  「水素エネルギー普及」プロジェクトが実施されてから、国家燃料電池技術イノベーションセンターは科学技術部と山東省の強力な支援のもと、潍柴動力をはじめ、企業、大学、研究院・所と提携してイノベーション事業体を設立し、産業チェーンにおける技術的なボトルネックのブレークスルーと産業化の実現を加速させ、15-200kWシリーズの燃料電池システムを開発しました。そのうち、200kWの燃料電池システムは202110月に国家「第十三五カ年計画」科学技術イノベーション成果展に出展しました。極寒地で燃料電池車の環境適応性試験を世界で初めて実施しました。マイナス34℃の環境でエンジンの始動を一発で成功し、製品寿命が3万時間に達したのも業界初、我が国の燃料電池産業化の進展を牽引しています。

  信頼性の高い燃料電池製品をベースに、数多くの領域での試験運用が実施されました。水素エネルギー基地に於いて、中国初の高出力コンテナ型の水素燃料電池コージェネレーションシステムと30kWの固体酸化物形燃料電池コージェネレーションシステムは、坊市で運用を始めました。中国初の3トンクラスの水素燃料電池フォークリフトを開発し、ゼロエミッションのロジスティクス運搬環境を構築しました。水素エネルギー港に於いて、中国初の80席の水素燃料電池旅客船が済南市の雪野湖で進水し、試験を実施、ゼロエミッションの運航を実現しました。国内初の港湾水素燃料電池大型トラックの実証運用プロジェクトも青島港で開始しました。水素エネルギー高速道路に於いて、国内初の高速道路向けの水素ステーションが淄博市で稼働し、濰柴動力の製品を搭載している49トンの燃料電池大型トラックが、済南泰鋼~青島董家口港までの区間で5,000km以上走行しました。昨年1027日、濰柴製162kW水素燃料電池システムを搭載した中国重汽の黄河スノーボードワックスカーが北京冬季五輪に納車され、「中国初、世界リード、完全国産」を実現しました。14日に、習近平総書記がスノーボードワックスカーを視察しました。一連の成果は、「水素エネルギー普及」が青写真から現実へと進んでいることを現しています。

  譚旭光氏は、濰柴は内燃機関本体の熱効率が51.09%の達成を実現し、新エネルギーに全面的に注力し、大規模な実証運用を行っており、「デュアルエンジン」により、従来のハイエンドパワーと新エネルギーパワーを揺るぎなく実現するために最前線に立ち、技術革命と産業変革において国の「炭素排出ピークアウトとカーボンニュートラル」戦略のために多元的なエネルギーのモデル転換の道を切り開いたと述べました。